村上ファンド復活、電子部品商社に村上氏ら社外取締役選任を提案 取締役会など反対、21日の臨時株主総会に注目

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   ライブドアのニッポン放送株取得をめぐるインサイダー取引事件(証券取引法違反)で東京地検特捜部に逮捕され、有罪が確定した村上世彰氏が「物言う株主」として再び表舞台に登場し、話題となっている。

   村上氏の長女である野村(旧姓村上)絢氏が代表取締役を務める投資会社「C&Iホールディングス」らが、東証1部上場の電子部品商社、黒田電気の株式を買い進め、村上氏ら4人を社外取締役に選任するよう要求したためだ。黒田電気経営陣や従業員は反対を表明しており、敵対的買収で日本市場を騒がせた「村上ファンド」の再来と言えそうだ。

  • 「村上ファンド」の再来か
    「村上ファンド」の再来か
  • 「村上ファンド」の再来か

村上氏側「敵対的買収ではない」

   C&Iは東京都港区南青山に事務所を構え、同所で同じく野村絢氏が代表取締役を務める南青山不動産や村上氏らとともに2014年12月から黒田電気に投資。2015年7月17日現在、黒田電気株の16.06%を保有している。6月には村上氏と旧村上ファンド(M&Aコンサルティング)でマネージングディレクターを務めた鈴木俊英氏ら4人を社外取締役として選任するよう求めている。黒田電気が8月21日に開く臨時株主総会の議決が注目される。

   黒田電気は1945年、大阪市で創業し、一般電子部品、半導体や機械装置を扱う独立系の専門商社で、過去4期は増収増益、直近の2期は最高益を更新している。ところが村上氏は「黒田電気は資本政策と積極的な成長戦略が現経営陣の下ではなされていない」と批判。自ら社外取締役となる株主提案で賛否を問いたいとしている。

   この提案に対して、黒田電気の取締役会は「当社は2006年6月から委員会設置会社(現指名委員会等設置会社)に移行し、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬・監査の各委員会に経営監視を委ねている。現体制下で業績、株価ともに良好な実績をあげている」として反対を表明。従業員一同も「村上氏はインサイダー取引で有罪判決を受けた。犯罪歴がある取締役候補は適格性の概念から大きく外れている」と反対の声明文を発表した。

   これに対して、C&Iは「資本政策とM&A(企業の合併・買収)を前向きに検討していくべく社外取締役を推薦しているもので、黒田電気の経営を支配する意図はない。敵対的買収ではない」と反論している。

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