大手企業でのLINE利用はむずかしいが・・・
ビジネスシーンで「LINE」を使うメリットとして考えられているのは、グループごとに意見交換したことを履歴として閲覧できることや、「既読」が表示されるので伝わったことがわかること、メールと同様に相手の状況にかかわらず伝えられることなどがあげられる。なによりも、手軽で便利に使えることがある。
インターネットに寄せられた、LINEの利用を支持する人からは、
「パソコンや携帯電話のメールと何が違うの」
といった声があるのも事実だ。
企業アナリストの大関暁夫氏は、ビジネスのLINEの利用について、「一概にダメとはいえない」という。そのうえで、「大手企業の場合、会社が支給しているパソコンやタブレットなどは、SNSが利用できないようになっているはずで、おそらくLINEも使えないでしょう。1番の理由は、やはりセキュリティーに対する企業の考え方があります」と話す。
情報漏えいはもちろん、情報の拡散でもSNSの威力は大きい。また、一般的にSNSは親しい人とのコミュニケーションの場で使われているので、「ビジネスにはなじまないといった考え方や、マナーの部分、とくに公私の区別ではなかなか使い方がむずかしい」としている。
ただ、中小・零細企業は別。たとえば、少人数で切り盛りしている飲食店などは従業員同士がLINEでつながっていて、急な欠勤や出勤をLINEでやり取りして職場に穴をあけないようにする。こうしたやり取りはLINEのほうが早くて便利かもしれない。
大関氏は「もちろんプライベートで使っている端末を利用するのですから、セキュリティーや使い方には気をつけさせる必要があります」とクギを刺すが、ニーズは少なからずあるとみている。