職場での「LINE」を使った業務連絡に賛否両論が寄せられている。
LINEの国内登録者数は、いまや5800万人を超え、日本の人口の45.7%を占めている。手軽な連絡手段として、職場を含め、さまざまなビジネスシーンで利用したいと考えている人は少なくないようだ。
「仕事の連絡をLINEでするなんて・・・」
職場に欠勤や遅刻の連絡をするとき、「LINE」を使う人が増えているらしい。なかには、職場に「『体調不良なんで休みます』の言葉とごめんねスタンプが届いた」という例や、LINEで退職届を送ってきたツワモノもいるようだ。 インターネットには、
「これはないですね。社会人として非常識すぎます」
「ありえん。世の中舐めてる」
「仕事の連絡をLINEでするなんて・・・」
「これは服装や言葉遣いと同じ、ビジネスマナーの問題。それがなってないってこと」
「退職願をLINEでするなんてもってのほか!」
と、呆れぎみなコメントが目立っている。どれもLINEの仕事での利用には否定的だ。
一方、日本ビジネスメール協会が2015年7月1日に発表した、仕事におけるメールの利用状況と実態を調査した「ビジネスメール実態調査2015」(有効回答数は1500)によると、「仕事で外部の人から初めて連絡をもらうとき、失礼だと思う手段はありますか」の問いに、50.87%の人が「LINE]と答えた。「失礼だと思う」連絡手段の第1位で、「Twitter」(41.73%)、「Facebook」(35.00%)が続く。
2011年以降、仕事で周囲とコミュニケーションをとる主な手段は、「メール」が98.33%、「電話」が92.67%、「会う」は82.27%と変わらないが、「一部のビジネスシーンではコミュニケーション手段として使われているソーシャルメディアですが、(LINEは)仕事で外部の人への初めての連絡には避けたほうがよいといえます」としている。
メールでのコミュニケーションが一般的になるなか、一方で仕事のメールをスマートフォンや携帯電話でやり取りする人は増えている。スマートフォンの普及で、外出先でもPDFファイルなどを閲覧しやすくなったほか、複数のアカウントを管理できるメールサービスが広がったことが背景にある。
日本ビジネスメール協会の調べでは、ビジネスメールの送受信で主に利用している機器は「パソコン」が99.27%と圧倒的だが、「スマートフォン」も34.53%を占める。タブレット端末や携帯電話とあわせると、6割弱を持ち歩きに便利な携帯端末が占めるようになった。
若者層を中心に、LINEは多くの人がすでに使い慣れているツール。LINEをビジネスで利用したいというニーズが出てきても不思議ではない。