商品化する予定はない
それにしても、なぜ、ウイスキーを宇宙空間に運ぶのか。
ビールなど一部の酒を除くと「ウイスキーなど多くのお酒は長期熟成によってまろやかさが生み出される」(サントリー)というが、科学的に詳しいメカニズムは解明されていないのが実態だ。
サントリーは酒に含まれる水とエタノールの分子がくっつくことが、まろやかさに影響しているという仮説を立て、これまで東北大などと共同研究を進めてきた。その結果、液体が動かない環境の方が、まろやかさが進む可能性があることが分かり、液体に動きがない無重力空間ではよりまろやかになるのでないか、という問題意識から宇宙での実験に踏み切ることにした。
このニュースについて、ネット上では「宇宙熟成ウイスキー、ぜひ飲んでみたい」「持ち帰って販売してほしい」「どんな味になるんだ」「宇宙飛行士は飲めずにかわいそう」などといった多数のコメントが並び、実験に対する関心の高さがうかがえる。
宇宙空間と地上で熟成されたウイスキーの味や香りにどんな違いがあるかは気になるところ。ネット上での「売ってほしい」という声が圧倒的に多いのも当然だ。しかし、今回の実験はお酒のまろやかさの秘密を研究するのが目的。量も限られることもあり、残念ながら商品化する予定はないそうだ。