宇宙空間でウイスキーがまろやかになるメカニズムを解明するための実験が始まる。
実施するのはサントリーで、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得て、国際宇宙ステーション(ISS)の日本実験棟「きぼう」で研究を進める。
複数年保管して分析
JAXA種子島宇宙センターで2015年8月16日に打ち上げ予定の宇宙ステーション補給機「こうのとり」5号機でウイスキーを「きぼう」に運び、一定期間保存してから回収。この宇宙で熟成させたウイスキーと、地上で同じ期間保管したサンプルとを比較することで、無重力空間でお酒がまろやかになるメカニズムを解明する。
宇宙に運ばれるのは10年、18年、21年もののウイスキーなど合計6サンプル。2016年9月までの1年間保管される第1グループと、2年以上の複数年保管される第2グループに分けて実験。持ち帰ってからは大型放射光施設「SPring-8」で分子構造を調べるなど科学的な分析が行われるほか、ウイスキーの専門家が実際に口にして人間の舌でも違いを確認するという。