ウェブによる一般投票で最終審査すべきだった
対して、2020年のエンブレムは「全く印象に残らぬ」と切り捨て、その理由を、
「ある少数の要素を組み合わせることで印象的なフォントをつくれると考えているとしたら、人間の認知を根本的に誤解している」
と説明した。さらに、エンブレムの最終審査にウェブによる一般投票を取り入れていれば、「似ている」といった指摘を正式決定前に検討することができた可能性があるとも指摘した。
「そうすれば、他のデザインとの『類似』の可能性も事前にチェックできた。専門家は頭や理屈で考えがちだが、一般の人はパッションで考える。今回のデザインにはパッションを感じない」
この茂木氏の投稿に対して昭恵夫人は「いいね!」をつけ、賛意を示した。
昭恵夫人は三陸沖の防潮堤建設計画や米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古沖(同名護市)移設計画にも異論を唱えており、場合によっては「家庭内野党」として国策に反対することで知られている。
五輪エンブレムへの逆風は強まるばかりだ。トートバックのデザイン取り下げを伝える8月14日朝刊の記事で、毎日新聞(東京本社発行14版)は識者コメントを2つ掲載した。その内容は、
「(編注:五輪エンブレムを)使い続けるのは難しいのではないか。盗作かどうか以前に、他国とトラブルを抱えているものは世界のおもてなしの場にふさわしくない」
「盗用が疑われたデザインを取り下げた以上、五輪エンブレムも取り下げるべきだ」
と、両方とも五輪エンブレムの継続使用は難しいとの見方で、もはや両論併記すら厳しい情勢のようだ。