オネエタレントのクリス松村さんが、コラムニストの能町みね子さんがテレビ番組で「おネエ」と呼ばれたことに抗議した報道にショックを受けた、とブログに書いた。
今回の出来事を「マイノリティがマイノリティを傷つける新たな差別」と捉え、立場の違う性的マイノリティ同士が理解しあう必要性を強調した。
「立場は違えど悩んだ経験は同じはず。もっと互いを尊重すべき」
能町さんは2015年8月4日放送の「今夜くらべてみました」(日本テレビ系)で「東大卒オネエ」として紹介されたことに対し、「私はオネエではありませんので日テレの人は訂正してください」とツイッターなどで強く反発した。
これを受けた形でクリスさんは2015年8月14日に「新たな差別」と題したブログを投稿し、能町さんの発言を批判した。
まず、能町発言について、
「もの凄くショックでした」
とし、
「自分のしてきたことを全否定されているような哀しさを感じた」
過去に性的マイノリティとしての立ち位置に苦しんだこと、自身が社会に出た当時はまだ言葉がなく、「オネエ」というくくりを仕方なく受け入れてきたことなどを明かし、
「私たちマイノリティと呼ばれる人たちが社会に出ていくのは大変なことでした。私でさえシワクチャになってからやっとです。それまでどれだけ心の葛藤があったか・・・」
自分のくくりについて悩んだ経験があったからこそ、クリスさんは能町さんの発言に違和感を覚えたようだ。自分のありかたを「おネエ」とくくることに反発する人がいることに理解を示しつつも
「でも、声に出して良いことと、いけないことがあるはずです」
「同じ悩みを抱えているはずなのに・・・」
と戸惑いの気持ちをあらわにした。
「性同一性障害やLGBT(性的マイノリティの人たち)の山を乗り越えた方々も立場は違えど同じはず」と指摘し、今回の騒動について、
「マイノリティがマイノリティを傷つけるという、新たな差別が始まったと感じています」
との見方を示した。
また、「最近のお若い方々は、もう少しそれぞれの歴史を尊重すべきだと思います」「あなたがたが今あるのは、あなたがたの努力だけではないのでは?」といい、これから立場の違う性的マイノリティ同士でお互いを理解しあう必要性を説いた。
「いわゆる『おネエ』業界が成熟した先の結果を、私はここしばらくかなり真剣に考えています」