被爆者として核廃絶訴え「人間のやる所業じゃない」
一方、長崎原爆の日だった9日の放送では口にこそ出さないものの「喝!」を感じさせる場面もあった。この日、司会の関口宏さん(72)らは被爆地の長崎へ出向き、中継する形をとっていた。1945年8月6日に広島に投下された原爆で被爆している張本さんは、関口さんから核兵器に対する思いを聞かれると、次のように話した。
「それはもう全然だめですよ。なくしてもらいたいですよ。何のために作るの。6日、9日は胸がいたい、つらいですよ。朝起きて、手を合わせてきましたけど、もうそんなことやめてもらい。人間のやる所業じゃないから。核はもう全廃してもらいたいと思いますよ」
「喝!」こそ出さなかったものの、真剣なまなざしと力のこもった声からは、核兵器に対する心からの「喝!」の思いがにじみ出ていた。