お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志さん(51)と人気アイドルグループ「SMAP」の中居正広さん(42)が、現在参院で審議中の安全保障関連法案に反対するデモをめぐり、テレビ番組の中で意見を交わした。
「反対派は対案を出さない」と厳しく批判した松本さんに対し、「若い子が声を上げるのは良いこと」と全面的に擁護する中居さん。プライベートでは仲の良い友人として知られる2人だが、考えの違いが浮き彫りとなった。
松本「このままでいいと思っているなら、完全に平和ボケ」
それは2015年8月9日放送の情報番組「ワイドナショー」(フジテレビ系)での一幕だった。2日、東京・渋谷で開かれた安保法案に反対する高校生ら5000人のデモに話題が及んだ時だ。
デモ参加者が安保法案を「戦争法案」と呼んだ点について、番組出演者でタレントの石原良純さん(53)が「戦争法案と安保法案を一緒にしちゃいけない」と批判。松本さんはこれに同調しつつ、一部野党議員による「戦争法案」発言を伝えたマスコミ報道に絡めながら「(デモ参加者は)ちょっとニュースに誘導されている感じはある」と指摘した。
一方、中居さんは「若い子が声を上げるのは良いこと」と好意的に見る。デモ参加者が持つ安保法案への認識は「間違っているかもしれない」「ふわっとしているところはあるかもしれない」としながらも、その当事者性や行動力をより高く評価しているようだった。
ただ、松本さんも引き下がらない。今度は、反対派は反対を唱えるだけで対案を出さない、といった趣旨の持論を展開。「このままでいいと思っているのであれば、完全に平和ボケ」「(対案を出さないのは)ズルいと思うなぁ」とその姿勢に疑問を投げかけた。
戦争放棄や戦力不保持を定めた日本国憲法第9条の評価に話題が移ってもなお、2人の意見は一致しない。「松本さんね、この70年間日本人って戦地で死んでないんですよね。これやっぱりすごいことだと思うんですよ」と語りかける中居さんに、松本さんは釈然としない表情で「憲法9条は日本を守っていたかもしれないけど、言い方を変えるとナメられていた」との認識を示した。
ちなみに松本さんは同番組の7月19日放送回でも安保法案についてコメント。そこでも、交通事故に例えながら「このままだと、当て逃げされますよ。『ぶつけたら厄介やぞ』と思わせないと、と思います」と「抑止力」の観点からその必要性を説明していた。
ツイッター反応は「中居さんに賛辞」「松本さんを評価」に二分
2人のやりとりが複数のネットメディアに報じられると、ツイッターでは中居さんに「本質を突いた勇気ある発言」と賛辞を送る人、松本さんを「深層が見えている」と評価する人と反応がくっきり分かれた。
2000年に放送されたドラマ「伝説の教師」(日本テレビ系)での共演をきっかけに親交を深め、プライベートでも仲の良い友人として知られる2人。
しかし、今回と同じく意見がかみ合わない場面が以前も見られた。14年6月放送の「ワイドナショー」で、日韓関係について議論した際もそうだった。中居さんは「韓国のアーティストとか俳優さんとか(日本に)来ても、全然何とも思わないです」と述べたのに対し、松本さんは島根県の竹島の不法占拠問題や歴史認識問題を踏まえ、韓国を同じマンションの隣人に例えながら「201号室と202号室と住んでたらそりゃ色々あるやんか」などと語った。
また、「(韓国に)謝るところは謝ればいいんじゃないですか」という中居さんの提言に、松本さんは苦笑していた。