原爆の日にツイッターに投稿した内容が「不謹慎」だとして、AKB48メンバーやディズニー日本法人がバッシングを受ける騒動が立て続けに起きた。
2015年は戦後70年という節目の年であり、原爆忌にも例年以上に注目が集まった。そうした背景もあってか、有名アカウントによる日付を絡めた「お気楽ツイート」に厳しい声が相次いだ。
「8月6日ぱるるの日」「ハグの日ということで暴走」
最初に発言が問題視されたのはAKB48の人気メンバー、「ぱるる」こと島崎遥香さん(21)だ。
広島原爆の日である8月6日、島崎さんは「#8月6日ぱるるの日」というハッシュタグを付け「皆さん、ありがとうございます」とツイートした。
ファンらの書き込みによれば、「ぱるるの日」というのは「8=ぱ」「6=る」の語呂合わせでファンが設定した記念日だという。皆でお祝いメッセージをSNSに投稿して盛り上げようという主旨で、2014年にも投稿の呼びかけがあった。島崎さんは大量のメッセージを受け、感謝の意を伝えた形だ。
だが、ファンらが本人による記念日公認を喜ぶ一方で、島崎さんのもとには「今日は原爆の日です」「70年前を勉強してください」「無知って怖い」といった声も相次ぎ寄せられることに。批判を気にしたのか、投稿はその後削除された。
長崎原爆の日にあたる8月9日には、同じくAKBメンバーの峯岸みなみさん(22)のツイートも悪目立ちすることとなった。
峯岸さんは
「嘘か本当かわからないけど、今日は8月9日 ハグの日ということで暴走させていただきました!!!!!!ごちそうさま!!!!!」
として新メンバーとのハグ写真を複数投稿した。すると、これについても「いやいや大事な日でしょ」「平和ボケだね」「もう少しメディアに出ている人としてちゃんとしてほしいです」といった厳しい声が集まった。
ただ、ハグの日にはもともと平和を願う意味合いが込められている。07年に広島市の「89(ハグ)の会」有志が制定したもので、毎年、広島原爆の日である8月6日と長崎原爆の日である8月9日(ハグの日)にフリーハグのキャンペーンを行っている。
「発信日についての留意が足りず」ディズニー謝罪
「不謹慎」だとして批判を受けたのは、AKBメンバーだけではない。9日には、ウォルト・ディズニー・ジャパン社の公式ツイッターが大きな波紋を広げた。
同アカウントはこの日、アニメ作品「不思議の国のアリス」のイラストとともに「なんでもない日おめでとう」と投稿。イラストには、ケーキを持ったアリスと「A VERY MERRY UNBIRTHDAY TO YOU!」とのメッセージが書かれていた。
これは作中で実際に登場するセリフで、誕生日以外のすべての日を祝うという意味合いだ。吹き替え版では「なんでもない日」と訳されており、ツイートの文言もこの和訳を踏まえたものとみられる。
だが、長崎原爆の日においては不適切だと感じた人が多く、「不謹慎」との指摘が続出した。多くの人々に夢を与えるディズニーということもあり、それだけ反響も大きかったようだ。
同アカウントは約6時間後にツイートを削除。その後、謝罪コメントを掲載した。さらに翌10日には
「皆様にご不快な思いをさせてしまう不適切な表現がありましたことを深くお詫び申し上げます」「発信日についての留意が足りず、このようなことが起こってしまい誠に申し訳ありませんでした」
とするプレスリリースを出し、改めて投稿を謝罪した。
投稿の経緯や意図などを聞くため、ウォルト・ディズニー・ジャパンに取材を申し込んだが、担当者が出張中とのことで10日18時までには回答を得られなかった。