巨大な渦を描いて漂流
環境省は初めて実態調査を2014年7~11月に実施し、今年4月に結果をまとめた。日本近海で陸から10キロ以上離れた外洋を中心に、東京海洋大の練習船2隻で網をひき、水面に浮かぶ0.35~5ミリの破片を回収するなどの方法で行った。その結果、微小プラスチックは海水1立方メートル当たり平均2.4個含まれていた。海域別では日本海や九州南部沖で多かった。
ちなみに、2010~12年の別の調査では、瀬戸内海沿岸が同0.4個で、単純比較はできないものの、沿岸に比べ、沖合の方が多いという結果。このほか、対馬海峡付近ではレジ袋が1平方キロメートル当たり最大137個、発泡スチロールが同60個見つかるなどごみ漂流が目立ち、沿岸から200キロメートル以上離れた沖合の海底には漁具が多く沈んでいるなど、深刻な汚染の実態の一端が明らかになった。
内外の研究機関などの調査の動きも相次ぐ。7月下旬に横浜に寄港したのがスイスの環境保護団体「レース・フォー・ウォーター財団」のヨットで、3月にフランスを出港し、9か月間かけて世界を回る調査の途上に立ち寄った。地球全体を見ると、特にプラスチックゴミが多く漂流している海域が5か所(太平洋2か所、大西洋2か所、インド洋1か所)あり、海流などの影響で直径数千キロの巨大な渦を描くようにゴミが漂流し続けているとされるが、詳しい実態は分かっていないことから、今回の調査航海になったという。