中国車の低価格攻勢に沈む・・・
一方、日本車は好調だ。中国の自動車市場は景気減速もあって、現代自動車のみならず、独フォルクスワーゲン(VW)や米ゼネラルモーターズ(GM)も伸び悩んでいるだけに、日本車が突出している。
中国での、2015年1~6月の累計販売をみると、トヨタ自動車は10.1%増の51万2800台で、通年では110万台の達成を目指している。主力の「カローラ」が販売をけん引。セダンの「レビン」も好調という。8月4日には、中国・天津市で590億円をかけて、10万台の生産能力をもつ新型車の生産ラインを建設することを発表、勢いづいている。
ホンダの販売台数は30.4%増の46万901台。7月単月も、前年比50.4%増の7万3099台と、5か月連続で前年実績を上回った。14年秋に投入したSUVの「ヴェゼル」と「XR‐V」が好調。「アコード」も伸びた。
1月に発売した「ヴェヌーシア」ブランド初のSUV「T70」がけん引した日産自動車も、5.7%増の58万7900台。マツダは17.3%増の11万5979台で、上半期としては過去最高を更新。8月には「マツダ6アテンザ」の2105年モデルを投入する予定だ。
日本車が好調な要因について、前出の日本総合研究所の向山英彦氏は「マーケットのニーズをとらえたことが奏功した」とみている。新車の投入や価格の引き下げにも熱心。売れ筋はSUVだが、品質がよい日本車が見直されていることもある。
向山氏は、「最近はどのメーカーもSUVに傾注していますが、中国の地場メーカーも低価格攻勢に出ています。もともと韓国車は価格面での優位性で勝ってきたところがありますから、それよりも安く、また品質で変わらないとなると売れ行きに響きます」と話す。現代自動車の、モデルチェンジの遅れもあるという。
中国車はここ数年でかなり競争力をつけており、「すでに韓国系自動車のレベルに達している」との見方もある。在庫処分を進める欧米メーカーによる値下げも、韓国車にとっては痛いようだ。