昭和天皇の「遺憾」の意に韓国人が言及しないのはおかしい
こういった発言は、朴氏が帰国後に取材に応じた時点である程度伝わっているため、総じて韓国メディアは淡々と報じている。むしろ、インタビュー放送後にメディアが注目したのが、
「全斗煥大統領が天皇陛下に謁見したことをなぜ言わないのか」
という発言だ。これは、全斗煥大統領(当時)が1984年に来日した際、宮中晩さん会で昭和天皇が、
「今世紀の一時期において、両国の間に不幸な過去が存したことは誠に遺憾」
と述べたことを指している。朴氏としては、昭和天皇が謝罪に近い「遺憾の意」を表明したことを韓国人が言及しないことに疑問を呈した形だ。
これとは別に、朴氏はインタビューの中で、韓国のシスターがハンセン病治療のために技術支援を求める手紙を「皇后陛下」に送ったというエピソードも紹介している。
韓国政府は天皇陛下のことを公式には「天皇」と呼ぶが、メディアの大半は「日王」(イルワン)という表現を使っている。朴氏はそこに「陛下」という敬称を用いたため、韓国メディアの多くがこの点を批判的に指摘している。
「日王に言及する際、『天皇陛下』と日本語の表現をそのまま使用した」(聯合ニュース)
「日王を指す『天皇陛下』という日本語の表現をそのまま使って問題になった」(東亜日報)
「日王を天皇陛下と尊称で呼んだのは、韓国国民の感情に合わず、韓国で問題になるとみられる」(ニューシース)
これ以外にも、ニュースサイト「プレシアン」は発言が「妄言」だと非難した。
朴氏の夫で少数政党「共和党」総裁のシン?ドンウク氏は、ツイッターで、
「特別な意味はない」
「過去の青瓦台の生活での敬語の習慣」
などと釈明したが、朴氏の真意は明らかではない。