反原発や安倍晋三首相批判などの主張が見られるとして、福岡市が市民団体主催の「平和のための戦争展」を後援することを拒否し、市民団体側が反発している。ネット上でも、拒否したことについて論議になっている。
こうした戦争展については、何年も前から全国各地で開かれており、市町村が後援するケースも多い。
展示漫画に「原発いらない」「消費増税反対」の表現
福岡市でも、1995年から戦争展が毎年開かれ、2012年からは、市が名義後援してきた。主催者は、原水爆禁止福岡市協議会や日中友好協会福岡支部などでつくる「『平和のための戦争展ふくおか』を成功させる会」だ。今回は、「語り継ごう戦争と平和そして憲法!」をキャッチフレーズに2015年8月18~23日までの日程で開くことにしている。
市民団体は、今回の戦争展について、2月に市に後援申請した。市では、「特定の政治的立場に立脚していない」など10項目の基準で審査したが、6月になって、後援を不承諾とした。
市の総務課では、取材に対し、3つの理由を挙げた。
戦争展で予定されている漫画家の作品展示について、市が市民団体に資料を出してもらった。すると、「原発いらない」「消費増税反対」「原発再稼働反対」といった表現がある漫画が展示されることが分かった。これがまず基準に抵触するという。
また、戦争展で記念講演を企画した福岡県反核医師の会について、14年11月に福岡市内であった集会のサイトを見たところ、元朝日新聞記者の講演で「安倍首相が用いている『積極的平和主義』というスローガンは戦争行使のためのものである」といった表現があった。
さらに、同じサイトでは、「混迷する原子力発電 復活政策の現状と行方」の題目で記念講演をする予定の九州大学大学院教授が脱原発への転換を集会で訴えていたことが書かれていた。さらに調べると、この教授は、様々な機会に脱原発を主張していることが分かった。