米国務省「議論の内容を明らかにするつもりはないが、日米両政府は連絡を取っている」
日本の対応は、両国と対照的だ。菅義偉官房長官は8月3日の会見で、
「仮に事実であれば、同盟国として極めて遺憾だと思っている。本件については、クラッパー米国家情報長官と連絡を取り合っているところだが、我が国として引き続き事実関係の確認を強く求めている」
と「極めて遺憾」という表現にとどめ、翌7月4日の会見で米側に対する抗議の有無について確認を求められても、
「抗議というよりも、まずはクラッパー情報長官に対して事実関係はどうなのかということは政府として申し上げている」
と述べ、抗議は行っていないことを示唆した。
ロシアの通信社「スプートニク」は、一連の菅官房長官の発言を「米国による監視に対する日本の驚くべき反応:怒りではなく遺憾」と伝えた。
一方の米国務省のトナー副報道官は8月3日の会見で、
「議論の内容を明らかにするつもりはないが、日米両政府は連絡を取っている」
と述べ、何らかの協議は行っているようだ。
「日本は米国の強固なパートナーで、地域の同盟国だという事実を改めて指摘したい」
とも述べ、詳細な事実関係の確認を避けながら事態の早期鎮静化を目指す意向もにじませた。
「ドイツやブラジルに対して行ったような、再発防止策のようなものは考えているのか」
という質問についても、
「インテリジェンスに関わる問題なので、この件について何を言うか、何を言わないかについて述べるのは避けたい」
とコメントを避けた。