日本学生支援機構の遠藤勝裕理事長は2015年8月3日の参議院安保特別委員会に参考人として出席し、奨学金返納延滞者の約半数が「低所得」を理由に延滞しているとの調査結果を紹介した。
生活の党と山本太郎となかまたち共同代表の山本太郎氏が「経済的徴兵制」といわれる問題を掘り下げる中で質問した。
遠藤氏によると、26年度末の奨学金延滞者は25歳未満で6万200件、25歳以上35歳未満が21万4751件、35歳以上45歳未満が5万7176件、45歳以上1万7848件。
延滞理由別の全体調査は行っていないそうだが、25年度のサンプリング調査によれば「本人の低所得」が最も高く51.1%にのぼったという。また、親の経済的困窮に対し延滞者が支援しているというケースが17%ほど。他に「本人が失業中」が15.1%、「本人が病気」が5%だったとした。
山本氏は、日本学生支援機構の運営評議会委員・前原金一氏が延滞者を対象とした「自衛隊へのインターンシップ」の推奨とも受け取れる発言をしたことを受け、延滞者情報を防衛省等に提供したことがあるかを質問。これに遠藤氏は「個別の延滞者の情報について、前原委員、防衛省や他省庁に提供したり、問い合わせを受けたということはない」と説明した。