ジャニーズのアイドルグループ「TOKIO」は福島県の農産物やその安全性をPRする仕事を2012年から続けているが、CM出演やポスターなどの出演料は受け取っていないことが分かった。
ゆかりのある福島で、自分たちも一人の「県民」として復興を手伝いたい、という思いからだそうだ。ネットでは「さすがTOKIOだ」「カッコ良すぎる!」といった称賛の声が挙がった。
TOKIOも福島県も言いにくい事だから自分が明かした
「新生!ふくしまの恵み発信事業」新CM発表会が2015年7月30日に都内で開かれた。このCMと関連のポスターは「TOKIO」が12年から担当していて、「福島は、元気です」「東日本を、食べて応援」などと呼び掛けている。15年4月から福島県のクリエイティブディレクターに就任した箭内道彦氏がこの日壇上に立ち、こんな事を語って会場を驚かせた。
「TOKIOのみなさんの出演料の欄を見たら『0円』だったんです」
なぜ0円かというと「福島への恩返し」であり、もう応援してくれるなと断られるまで応援し続けたいと語っている、と明かした。そうしたTOKIOの熱い思いに感銘を受け、箭内氏自身のギャラも0円にすると語った。
そして、TOKIOも福島県も言いにくい事だから、怒られるのを覚悟で自分が明かした、と説明した。
ネットではこの話題に、
「なぜか涙が・・・」
「ああこれは・・・確かに俺たちのTOKIO」
「日本にいる本当のイケメンはこの5人だと思う」
などと称賛の嵐になった。
「DASH村を僕らの手で取り戻したい」
TOKIOといえば今や日本テレビ系の高視聴率番組「ザ!鉄腕!DASH!!」を思い浮かべる人が殆どだ。この番組を人気にしたのは福島県浪江町南津島にある「DASH村」で、ここでの開墾や農業をする姿が「音楽に詳しい農業のおっちゃん」などと呼ばれるようになった。東日本大震災の福島原発事故でこの「DASH村」での仕事はできなくなり、飼っているヤギやヒツジ、番犬なども避難することになった。TOKIOは11年5月11日に武道館ライブを行った際に、「DASH村」がある浪江町の避難住民700人を、80か所の避難所からバス十数台で送迎し、招待した。この時も、
「DASH村を僕らの手で取り戻したい。(放射能の汚染土壌の改良も)僕らができるならやりたい」
などと語り、避難住民から熱い拍手を受けていた。
福島県農産物流通課によれば、CM出演をお願いした際に「無償で協力させていただきたい」という申し出があったのだという。ゆかりの地に思いを寄せているTOKIOの姿を見て「ご厚意を受けさせていただきます」としてノーギャラが決まった。ただし、これは発表するものではないとし、箭内氏ともこの件に関する打ち合わせはしていなかった。箭内氏が明かした時は職員全員が驚いたという。