「東京五輪を返上しよう・・・酷すぎてもう」。こんな意見までネット上に出回ることになってしまった。
建設費用の膨れ上がりは新国立競技場だけではない。海の森水上競技場(ボート・カヌー)は当初69億円が491億円に、有明テニスの森(テニス)が59億円から114億円と軒並み建設費用が高騰しているのだ。オリンピック招致の際には低予算とコンパクトをアピールし開催を獲得したはずなのに、これでは日本は世界の恥さらしになる、というのが「返上」を迫る理由だ。
ボート会場69億円が491億円、テニス会場59億円から114億円・・・
「新国立だけじゃない。建設費高騰」という特集を組んだのは2015年7月29日放送のTBS系情報番組「あさチャン!」。新国立競技場は当初1300億円の建設予算が2520億円に膨れ上がり批判が殺到したため建設の全面見直しとなり、担当局長が辞任に追い込まれたが、その他の施設も軒並み高騰していると報じた。例えば15年6月現在で、海の森水上競技場は当初69億円が491億円、有明テニスの森が59億円から114億円、東京ビックサイト(レスリングなど) が114億円から228億円、大井ホッケー競技場が25億円から48億円、葛西臨海公園(カヌー)が24億円から73億円と2倍から8倍に増えているのだ。東京都が負担する競技場の建設・整備費も当初は1538億円だったものが4584億円に増加し、バドミントン、バスケットボール会場などの建設を中止したが、それでも当初より1000億円も増えているのが現状だという。そして、まだこの額で収まるという保証はない。
「世界に恥を晒すな!」「何百億、何千億とこれ、返せんの???」
どうしてこんなことになったのかといえば、当初の試算があまりにも杜撰だったからだ。番組ではボート会場については上物の建設費しか計上していなかった可能性があるとし、付帯しなければならない設備やシステムが次々と出てきた、などと説明していた。IOC(国際オリンピック委員会)は、オリンピック費用削減のための改革プランを策定中であり、もともと東京オリンピックは低予算、省エネ、コンパクトを謳い文句に招致を獲得したのにも関わらず、その公約が果たされるのかという疑問も出ている。東京の次の2024年オリンピックに立候補をしていたボストンが立候補を辞退したのは、カネがかかりすぎ赤字になるのではないか、という市民の反対運動があったからだ。
「日本のゴタゴタが影響したのかなぁ、と考えうることですよねぇ」
などと夏目三久キャスターは語っていた。
ネットでは新国立競技場以外でも、こんなに建設費が当初予定とかけ離れた高騰ぶりになっていることに驚きを隠せず「世界に恥を晒すな!」「何百億、何千億とこれ、返せんの???」などとちょっとした騒ぎに発展している。
「オリンピックやめたら?俺はこんな施設使わないから、税金使ってほしくないんだけど」
「五輪返上しよう・・・ ひどすぎてもう」
「やめちまえよ馬鹿」
などといった返上論まで飛び出している。