高校球界に新しいアイドルが誕生した。名門早実の清宮幸太郎クン、1年生。
今夏の甲子園大会では100年の節目で盛り上がっている。フィーバーぶりはさらに過熱するだろう。
小学校時代から「大器」
東京都予選で清宮が出場するたびに観客は増えた。決勝は2万8000人と膨れあがり、外野は立ち見席まで埋まった。早実の優勝が決まると、朝日新聞は号外5000部を発行した。
まさに「清宮効果」だった。
東海大菅生との西東京決勝は0-5の劣勢から、8回表に一挙8点を奪っての大逆転勝ち。清宮はタイムリーを放っている。
早実の下馬評は決して高くなかった。入学したばかりの清宮を3番に起用するところにそれが表れていた。その1年生が打ちまくり、早実は試合ごとに力がついていった。
清宮の存在を決定的にしたのは準決勝で当たった優勝候補筆頭の日大三戦だった。2-0で勝ったのだが、決勝点となる2打点を清宮が二塁打を放って挙げた。
小学校時代から「大器」と言われた逸材。世界大会で優勝、そのときはアメリカのマスコミに「日本のベーブ・ルース」と報道されたほどの長打力を発揮した。高校1年で早くも甲子園出場。まれに見る「強運の持ち主」である。
早くも「アマの星」に
甲子園ではメディア、ファンから熱い視線を受ける。とりわけマスコミの報道は異常な過熱となるだろう。
「間違いなく清原和博(PL学園)の1年生時代と比較される」
清宮は左打ち右投げである。
「同じタイプの松井秀喜(星稜)とも比べられる」
話題満載。テレビも新聞も大喜びだろう。それでなくとも既に「規格外」との大騒ぎしている。
甲子園のアイドルというと、三沢の太田幸司が思い出される。全国的フィーバーとなった元祖アイドルである。
清宮が初戦でホームランでも打とうものなら、一気に全国区の人気者に祭り上げられるだろう。
「もし清宮が大学に進めば、2020年の東京オリンピックに出場する可能性もある」
こう予測する関係者もいるほどだ。
東京五輪を控え、各競技で若い力の台頭が著しい。野球界もプロの大谷翔平らがいる。清宮は「アマの星」といえる。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)