原発再稼働や安保関連法案に反対するパフォーマンスを展開しているアイドルグループ「制服向上委員会」が2015年7月28日、東京・有楽町の日本外国特派員協会で会見した。
反原発運動で歌われることが多い「ダッ!ダッ!脱・原発の歌」など計2曲を披露し、政治に関心を持つことの重要性を強調。メッセージを発することで「ひとりひとりの心が動いて、社会も変わっていけたらいい」などと訴えた。
「アイドル」の認識が通常とは違う
記者の関心は、アイドルが政治的メッセージを発することの意義に集中。メンバーがそれぞれの言葉で、その意義を語った。
1995年から「制服向上委員会」の活動に参加している名誉会長の橋本美香さん(35)は、「アイドル」には単に「かわいい」以上の意味があると説く。
「日本で言うアイドルは、いわゆる『かわいい』歌を歌って踊って、みんなから憧れられるようなものだと思う。私たちはアイドルグループとうたっている(自称している)が、そこの認識が若干違っていて、私たちアイドルは『誰かの心に輝く存在』だということで、ずっとプロデューサーからその言葉を聞いて育ってきた」
齋藤乃愛(のあ)さん(15)のように、
「(制服向上委員会の)メンバーになったおかげで、家族全員が社会問題に詳しくなった」
と活動をきっかけに社会や政治への関心を深めたというメンバーも多い。西野莉奈(りな)さん(15)も、
「制服向上委員会に入って政治に関心を持てたことは、すごく誇りに思っている」
と話し、政治的主張を避けようとする国内の芸能界のあり方を批判した。
「歌にメッセージがない曲はないと思う。歌詞としてメッセージを歌うのに批判されることが多い日本はおかしいと思う。米国では強い政治的メッセージを出しても批判されることは少ないと思うので日本も見習ってほしい」
若年層の発言妨げること言う人は「本当に許せない」
乃愛さんの姉、齋藤優里彩(ゆりあ)さん(18)は、歌で社会の変革を意気込む。
「ひとりひとりの心に届くような、ひとりひとりの心を変えられるようなメッセージを発信したいと思っている。危険な原発が日本に沢山あるし、3.11でなぜ政府は学んでいないのか。そういう思いだったりを沢山発信して、私たちをきっかけにひとりひとりの心が動いて、社会も変わっていけたらいい」
木梨夏菜(かな)さん(17)は、若年層の意見が軽視される風潮に憤った。
「よく『子どもなのに...』と言われるが、子どもだから駄目だというのは本当におかしい。これから生きていく上で、子どもが大人になっていって上に立つ。それなのに『子どものくせに』って言って、子どもが発言することを妨げるようなことを言う人は、私は本当に許せない」