東京都の自家用機飛行自粛要請に疑問の声も 飛ばないと、整備やメンテナンスなどに問題が

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   8人が死傷した小型機墜落事故を受けて、東京都が自家用機の飛行自粛を要請したことが分かった。しかし、事故とは直接関係のないところにも負担を求めることについて、違和感があるとする声もネット上などで出ている。

「飛べなくなるのは、確かに困りますけれど、大きな事故が起きましたので、仕方がないと思っています」
  • 飛行自粛は妥当なのか(写真はイメージ)
    飛行自粛は妥当なのか(写真はイメージ)
  • 飛行自粛は妥当なのか(写真はイメージ)

「『自家用車の運転自粛』を求めるのに等しい」

   調布飛行場などで会員約300人が自家用機の飛行や同乗などを楽しんでいる「AOPA-JAPAN」では、事務局長が取材にこう話す。

   東京都営の調布飛行場では、個人や会社、クラブなどが自家用機24機を運航しているが、都では、墜落の原因が分かり、再発防止策が講じられるまで自家用機の飛行自粛を要請すると、2015年7月26日に報じられた。調布市の長友貴樹市長もこの日、自家用機の使用削減をことあるごとに強く要請してきたとして、今回は、再発防止策が明らかになるまで飛行自粛を強く要請するとのコメントを出した。

   とはいえ、自粛が長期に渡れば、自家用機のオーナーらに多額の維持・管理コストがかかる。「飛行機が飛ばないと、整備やメンテナンスなどの面から、安全性にも問題が出てきます」とAOPA-JAPANでも懸念を示す。

   調布飛行場は、戦前の軍事利用に始まり、周辺に住宅地ができたのは戦後になってからだが、「それを言っても仕方がありませんので、要請には協力したいと思っています」と言う。「細心の注意を払って飛んでいましたが、こんな事故が起きてしまって...」と困惑した様子だった。

   都などの飛行自粛要請が報じられると、ネット上でも、疑問の声が相次いだ。

「近くに飛行場があるのを承知で住み始めたのにそれはないだろう?」「『自家用車の運転自粛』を求めるのに等しい」「飛行機は自動車より相当安全な乗り物でしょうがw」

「住民へのインパクトを考えた」と都は説明

   自家用機の飛行自粛を要請した理由について、東京都調布飛行場管理事務所では、「今回の事故では、住民の方も巻き添えになってしまい、自家用機が飛ぶだけでインパクトが大きいからです」と説明する。このことを自家用機の幹事をしているAOPA-JAPANを通じて伝え、納得してもらったとした。

   調布飛行場は、もともと100ヘクタールあったのが40ヘクタールに縮小され、周囲は公園になっているといい、住宅は、危険な建築制限区域内には建っていないともした。

   各自家用機は、1日に1回、1か月に12回の離着陸制限があり、飛行場では、1日平均40~50回の離着陸があるという。自家用機全体の制限はなく、定期便や事業機を含めた飛行場全体として制限しているとしている。

   友人や家族などを同乗させることは許可されているが、お金を取る観光目的の遊覧飛行は禁じている。今回墜落した小型機は、遊覧飛行をしていた可能性があると一部で報じられたが、管理事務所では、「訓練のための慣熟飛行だったと認識しています」として否定した。過去にも、遊覧飛行は聞いたことがないという。

   調布飛行場で運航する自家用機には、大型のジェット機はなく、4、5人乗りの単発プロペラ機がほとんどだという。自家用機は、住宅地のある飛行場周辺空域以外で訓練したり、伊豆諸島などに飛行して帰ってきたりしているそうだ。

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