リハビリに医療用ロボット活躍している 「HAL」 「Honda アシスト」など数種類

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   医療や介護関係の最新機器などを展示する「国際モダンホスピタルショウ2015(日本病院会、日本経営協会主催)が2015年7月15日から17日、東京ビッグサイトで開かれた。

   注目を集めたのは看護や介護などの現場で活躍し始めた医療用ロボット。16日の特別フォーラム「ロボットを利用したリハビリテーション」で、先駆的な佐賀大学病院、横浜市の長田(おさだ)病院が実際の活用ぶりを報告した。

  • 横浜の長田病院ではリハビリでロボットを使用
    横浜の長田病院ではリハビリでロボットを使用
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患者の回復意欲を高め、家族や介護職の負担軽減

   佐賀大学病院リハビリテーション科の浅見豊子教授によると、同病院は2001年から切断した腕代わりの筋電義手を導入。11年以降、脳卒中患者の歩行訓練用ロボットスーツ「HAL」など各社のロボットを導入し、14年秋からは全国初の「ロボットリハビリテーション外来」を開設した。

   同病院は、個々に装具を作る時間を省き、組み立て装具で起立・歩行訓練をすぐに始める。また、筋肉を軟らかくするため、ボツリヌス療法や電気刺激療法と併用する。重度には「HAL」、中等度には「Hondaアシスト」、そのほか「NESSL300 」「WalkAide」など、患者に合わせてロボットを選ぶ。足の4か所にボツリヌス注射をした後、「HAL」は週 1回60分を6週間、「Hondaアシスト」は週3回を4週間、など基準を決め、効果も一定基準で評価する。「HAL」の場合、5 人のうち 3人は屋外での自立歩行ができるようになり、6か月後も維持できた。

   手の切断などには筋電義手は有効で、同病院は大人だけでなく小児にも積極的に導入している。浅見さんは「ロボットリハは機能改善に役立つ。公的支給など使いやすい制度を充実してほしい」と訴えた。

   長田病院は神奈川県の「介護ロボット普及推進センター事業」に協力、毎週、見学を受け付けている。佐治周平・リハビリテーション室長以下12人の理学療法士らが、「HAL」「NESS L300」など数種類のロボットを使って訓練している様子を動画で紹介した。同病院では腰への負担を軽くするため介護者が装着する「スマートスーツ」も活用している。おむつ交換や入浴介助時に有効なものの、蒸れて暑いといった声もあるという。また、メーカーの協力で「NESS」製品の貸し出しも行っている。

   佐治さんは「ロボットは患者の回復意欲を高め、家族や介護職の負担軽減に役立つ」と強調した。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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