無配でも6社
もちろん、役員報酬は、その企業が業績に応じた経営判断で独自に決めるものだ。しかし、気になることもある。2015年3月期が単独決算で最終赤字にもかかわらず、1億円以上の役員報酬を支払った企業が11社あった。このうち、バンダイナムコホールディングス(3人)、出光興産(2人)の2社が複数人の役員に1億円以上の役員報酬を支払った。
また、無配で1億円以上の役員報酬を支払った企業も6社あった。赤字決算で無配ながら、1億円以上の役員報酬の個別開示をした企業はゼンショーホールディングスだけだった。
東京商工リサーチは「役員報酬の個別開示制度は多くの人に認知され、各企業が役員報酬額を決定する判断基準にもなっている。年々、コーポレートガバナンスやコンプライアンスが重視されており、役員報酬の説明責任もより一層求められるようになっている」と話している。