2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催まで、丸5年となった。新国立競技場の建設問題も「白紙撤回」に一応着地し、ようやく大会に向け動き出そうとするなか、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は15年7月24日、大会のエンブレムを発表した。
シンプルで斬新なデザインだが、エンブレムを見た人々は、なぜか「既視感」を覚えているらしい。赤と黒のカラーリングから、「くまモン」や「Jリーグ」、果ては「のり弁」まで、いろいろと「ソックリさん」が挙げられている。
作者は「ニャンまげ」生みの親
発表されたエンブレムは「TOKYO(東京)」「TEAM(チーム)」「TOMORROW(トゥモロー)」の頭文字である「T」をあしらったもの。パラリンピックは、平等を表す「=(イコール)」を縦に配置している。すべての色が集まる「ダイバーシティ(多様性)」を黒で、「インクルーシブ(包含する)な世界」を大きな円で、「ひとりひとりのハートの鼓動」を赤い丸で表しているという。
このエンブレムを作ったのは、佐野研二郎さん。大手広告会社の博報堂出身で、日光江戸村(栃木県日光市)の「ニャンまげ」、TBSテレビの「BooBo(ブーブ)」、au(KDDI)の「LISMO」などを手掛けたアートディレクターだ。
国内外から104作品の応募があり、「デザインとしての美しさ、新しさ、そして強さ。そこから生まれる展開力。」を審査基準にして選ばれた。なお今回の発表により、以前から使われていた桜模様の「招致ロゴ」は役目を終えた。