コンビニ大手、第1四半期(3~5月)に最高益更新 消費増税の影響克服、他の小売業も好調

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   小売り各社、中でもコンビニエンスストア大手3社の収益が大幅に改善している。2016年3~5月期連結決算はセブン&アイ・ホールディングス、ローソン、ファミリーマートの経常利益がそろって過去最高を更新した。

   昨年4月の消費増税による消費者の節約志向の強まりで、一時は「コンビニ離れ」も指摘されたが、各社の新商品投入などが受け入れられており、増税の影響はほぼ克服したとみられる。

  • これからは商品力をどう磨くが一層問われそう
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もはや「コンビニグループ各社」に様変わり

   セブン&アイの決算には総合スーパーや百貨店の事業も含むが、自営店と加盟店を合わせたチェーン全店ベースではコンビニ事業が売り上げの7割近くを占めるため便宜上、グループ全体の決算を活用させていただく。ちなみに最近では、ローソンの決算に高級スーパーの成城石井や映画館チェーンのユナイテッド・シネマが加わるなど、「コンビニグループ各社」とでも言うべき状況となっている。

   首位セブン&アイの経常利益は、前年同期比5.0%増の811億円。売上高にあたる営業収益は2.1%減の1兆4407億円だったが、このマイナスは主に、米国セブン-イレブンで販売しているガソリンの価格が前年より下落したほか、米国セブン-イレブンの不採算店を閉じた影響による一時的なものだ。

   国内のセブン-イレブンは3月に高知県に進出するなど、375店をオープンする積極攻勢により、5月末には44都道府県で1万7772店舗となった。おにぎりなどの基本アイテムの品質を改善する一方、地域ごとの顧客の味の好みに合わせた商品開発を強化。新たな顧客獲得の武器である「セブンカフェドーナツ」の導入は5月末で約7300店に達し、全店舗の4割を超えた。

   こうした商品面の改善効果などもあって、既存店売上高は2012年8月から34か月連続のプラスを維持。チェーン全店ベースの売上高は前年同期比7.4%増の1兆436億円と、3~5月期として初めて1兆円を突破した。コンビニを中心にグループ全体のプライベートブランドである「セブンプレミアム」の販売は、前年同期比22.2%増の2370億円と快調で、商品開発力の高さを見せつけた。

   日本フランチャイズチェーン協会によると、国内のコンビニ全体の既存店売上高は、消費増税された昨年4月から今年3月までの12か月連続で前年同月を割り込んだ。ただ、今年4月と5月はプラス圏に浮上し、増税の影響が一巡したことを示している。国内でのセブン-イレブンの強さは、この既存店売上高が消費増税された昨年4月以降も、ずっとプラス圏を維持していることだ。トップ独走とも言える状態で国内シェアも伸び続け、3~5月期は41.4%と過去最高を更新した。4年前(37.2%)と比べると、シェアは4.2ポイント拡大した。

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