森氏はあえて下村氏に厳しく当たった?
政治評論家の有馬晴海さんは、下村氏が矢面に立たされているのは、安倍晋三首相をかばうためスケープゴートにされた可能性があると指摘する。
「新国立問題が安倍首相に責任が被らないよう、森氏はあえて下村氏に厳しく当たったという見方がある」
という。
安全保障関連法案を抱えている安倍政権は、7月中旬に行われた各紙の世論調査で支持率が30%台に下落した。新国立問題が足を引っ張り、30%台を割る危険水域に入りかねない状況であっただけに、安保関連法案のために「森氏がうまく目を向けさせた」可能性があるという。
夕刊紙では下村氏の「更迭論」が取り上げられているが、有馬さんは、
「いま下村氏を更迭すれば、首相の任命責任に飛び火しかねない。9月に行われる総裁選後の内閣改造で、入れ替わる可能性がある」
と見ている。
なお、当の下村氏は自らの辞任を否定している。7月24日放送の「みんなのニュース」(フジテレビ系)に出演した際、辞任について「やめる必要ないでしょ」と不愉快そうに述べた。2020年に間に合うことや、建設コストがかからない、アスリートが納得する競技場を作ることが「責任の取り方だ」と主張した。