西武ホールディングス(HD)は、西武鉄道の有価証券報告書の虚偽記載事件による株価下落で損害を受けたとして、機関投資家や個人株主らが損害賠償を求めた4件の訴訟について、最高裁判所からの決定通知を2015年7月23日に受領した、と発表した。西武HDと機関投資家など4グループの、双方の上告は退けられ、西武HD側に総額約46億円の賠償を命じた差し戻し審・東京高裁の判決が確定した。
争点となった損害額の算定方法について、最高裁は2011年の判決で「株の取得価格と売却価格の差額から、虚偽記載公表前の市場動向などによる下落分を差し引いた額」との基準を示し、審理を高裁に差し戻した。この基準に基づき、東京高裁は「虚偽記載と因果関係のある損害は株価下落分の10~15%」などと損害を認定していた。
西武HDは「決定に基づき適切に対応します」とコメントした。
なお、一連の訴訟は全部で5件あり、1件は最高裁で上告審が続いている。