「東大コンパで泥酔死亡」責任は誰に? 「両親が1.7億円賠償請求」めぐり論議

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   泥酔して死亡した東大生の両親が、コンパに参加した21人に総額約1億7000万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。飲み過ぎたのは自己責任ではないかとの声も出て、ネット上で論議になっている。

   「こんな目に遭うのは、息子を最後にしたい」。父親(52)は、2015年7月22日の会見で、涙を拭いながらこう訴えた。

  • 自己責任論も出て…(写真は記事と関係ありません)
    自己責任論も出て…(写真は記事と関係ありません)
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ネットでは「寝てると思ったのでは」との声も

   東大のテニスサークルでは、隅田川花火大会前日の12年7月27日18時ごろから、東京都内の隅田公園で場所取りを兼ねたコンパを行った。OBも含めて約40人が参加し、亡くなった当時2年生の男子学生(21)は、そこでコンパ長を務めた。

   コンパでは、参加者が車座となってフォークダンス「マイムマイム」を歌い踊り、一区切りしたところで誰かが中央に出て焼酎「大五郎」をラッパ飲みする「マキバ」というサークルの伝統行事をしていた。参加者は、大五郎のうちアルコール度数が最も高い25度の焼酎を飲んでいた。残った焼酎は、コンパ長が飲み干すのが慣例になっていたともいう。

   男子学生は、21時ごろから大量に焼酎をあおって計1.1リットルも飲み、1時間ほどして意識を失い昏睡状態になった。翌日2時に参加者が気づいて救急車を呼んだが、到着する2時間前にはすでに急性アルコール中毒で死亡していた。報道によると、男子学生は、意識を失ったときに失禁したが、参加者がズボンを脱がせて離れた場所に寝かせていたという。

   両親は、助けずに4時間も放置したとして、1年生を除く参加者31人に解決金の支払いを求め、うち10人は1人240万円の条件で和解した。しかし、21人は、「法的責任はない」として和解に応じず、両親が今回提訴に踏み切った。

   コンパの参加者に高額賠償を求めたことについて、ネット上では、疑問や批判の書き込みも相次いでいる。

「皆酔っ払いで他人の状況は把握無理だろ」「酔いつぶれたなら寝てると思って放置されるんじゃないの」

弁護士「放置しないで助けてほしかった」

   また、亡くなった男子学生が成人しており、コンパ長も務めていたことから、「飲んだのは自己責任」「自ら管理できないのもどうなんだ?」といった指摘も出ていた。

   もっとも、他の参加者について、「介抱せず放置したのはいけなかった」といった批判は出ており、両親が訴えたことにも、「これがニュースになることで、何人かの学生の命を救ってるかも」と理解する向きがあった。

   両親の代理人をしている弁護士は、取材に対し、参加者が泥酔するなどして緊急事態に気付かなかった可能性についてはこう答えた。

「個々の人によっては、その可能性はなくはないです。しかし、それぞれ代理人を立てて交渉していますので、慎重に言葉を選んでおり、はっきりとしたことは言っていません」

   本人に自己責任もあるかについては、あくまでも意識を失ってから放置しないで参加者に助けてほしかったと強調した。コンパ長については、「必ずしも、はやし立てる方ではありません。自分が飲んでコンパを盛り上げる役だったということです」と言う。

   なお、男子学生の死亡から3年後になって提訴したことについては、「参加者が就職した時期に合わせたということではなく、和解交渉が一段落してこれ以上進まないと判断したからです」と説明している。

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