いわゆる従軍慰安婦問題などをめぐり日本に批判的な活動を続けている米国のマイク・ホンダ下院議員が、窮地に立たされることになりそうだ。ホンダ氏は2014年秋の選挙でかろうじて7期目の当選を果たしたが、その選挙活動の際、寄付を受ける見返りに支持者を国務省のイベントに招待するという便宜を図っていた疑いが浮上した。
すでに米議会の倫理委員会は疑惑について審査を行うことを発表。最悪の場合、議席を失う可能性すらある。
「すでにホンダ議員を支持している南アジア人のリストはないのか」
発端は、ニュースサイト「サンノゼ・インサイド」が14年9月に報じた陣営内のメールのやり取りだ。メールは、国務省のイベントに誰を招待するかを検討する内容で、「過去、候補者に対して巨額の寄付をした南アジア人の技術者や投資家のリスト」が添付されている。ただ、このリストに載っている人はホンダ氏に寄付したことはない。
このメールに対する返信では、どうすればリストに載っている人に寄付してもらえるか検討を求めており、
「すでにホンダ議員を支持している南アジア人のリストはないのか」
ともある。
政治献金の依頼は公的活動とリンクしてはならない
サンノゼ・インサイドでは、米議会の倫理マニュアルには、
「政治献金の依頼は、議員や議員スタッフが公的に行ったり、行おうとしている事柄とリンクしてはならない」
といった内容が盛り込まれていることから、寄付と引き換えに公的なイベントに招待するというホンダ陣営の行動は違法だと指摘している。
ホンダ議員と同じ選挙区の市長らが疑惑を米議会の倫理局に告発し、倫理局は調査を進めてきた。倫理委員会が倫理局による調査結果を踏まえて、議員の処分といった対応を検討する。倫理局は報告書を15年6月5日に倫理委員会に提出し、倫理委員会は15年7月20日、審査を行うことを発表した。倫理委員会は、審査の結果を9月3日までに発表する。
この疑惑は、カリフォルニア州弁護士の資格を持つケント・ギルバート氏もブログで紹介しており、「ホンダ議員が議席を失う可能性もあります」と指摘している。