女性の「デリケートゾーン」ケアが普及し始める 脱毛や専用石けんの使用からクリニックでの手術まで

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   海外の女性には「常識」とされるデリケートゾーンのケア。日本でも密かに浸透し始めているらしい。

   毎年、モナコで開催される国際アンチエイジング医学会(AMWC)。世界中から専門家が集まり、アンチエイジング医療に関する最先端の研究発表が行われるシンポジウムだ。展示会場には最新の医薬品や医療機器などが展示され、各国のアンチエイジング事情を知ることができる。

  • 見えないからと手を抜いていると、ニオイやかゆみの原因に
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ファッションリーダーがSNSなどで話題に

   2015年3月に開催された第13回AMWCに参加したある医師によると、「今回はデリケートゾーンのエイジングケアに関する研究が目立った」という。デリケートゾーンの美容外科治療をテーマにセミナーが開催され、朝8時から18時まで4部構成で行われたセッションでは、最新の治療法などが紹介された。

   欧米では女性がデリケートゾーンの脱毛や、専用石けんを携帯するなど日常的にケアをすることは一般的で、当然のエチケットと考える人も多い。最近は日本でも女性誌をはじめ、メディアで「膣のエイジングケア」が取り上げられ、関心が高まっている。ネットで検索すると、デリケートゾーン専用の石けんやウェットシート、携帯用の使い捨てビデ、美白クリームなどさまざまな関連商品がヒットする。また、美容クリニックでも脱毛をはじめ、ニオイや黒ずみの解消から大きさやかたちを整える形成手術を行っているクリニックも少なくない。デリケートゾーンケア市場が密かに広がっていることがうかがえる。

   こうした背景について、アンチエイジング医療に詳しい近畿大学奈良病院皮膚科の山田秀和教授は、「清潔の概念が基礎にある」と言う。「性生活の文化的な背景も関係していますが、特にフランスではデリケートゾーンをケアする習慣が根付いていて、ビデ専用の洗浄剤が以前からありました。最近では日本でもサニタリー商品として認識されつつあります。除毛や脱毛に続くデリケートゾーンのケアが普及してきたのも、留学などで欧米人と共同生活をする機会が増えたことや、ファッションリーダーがSNSなどで話題にし始めたことが影響しているのでしょう」

   しかし、日本ではまだなじみが薄い専用製品の使用について、山田教授は「過剰に清潔にすると膣内の細菌叢のバランスを崩し、細菌感染が起こりやすくなる可能性があります」と懸念する。専門家による正しいケア法を知ることが重要だ。

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