キトラ古墳の天文図 古代中国で観測された星か

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   奈良県明日香村の国特別史跡、キトラ古墳(7世紀末~8世紀初め)の天文図について、文化庁などは2015年7月15日、古代中国の洛陽や長安付近で観測された星座の図に基づき描かれた可能性があるとの分析結果を発表した。

   天文図は石室の天井に描かれたもので、現存する本格的な天文図としては世界最古とされる。文化庁と奈良文化財研究所は、国立天文台助教(位置天文学)の相馬充氏と元帝京平成大教授(天文学史)の中村士氏と共同で調査を実施。天文図に描かれた星座の観測年代や観測地を詳細に分析した。

   観測年代について相馬氏は「紀元後4世紀ごろ」、中村氏は「紀元前1世紀ごろ」とそれぞれ異なる見解で結論づけたが、いずれもキトラ古墳が作られた数百年前であることを示した。

   観測地については相馬氏が「北緯34度地点」と分析。この経度には古代中国の都として栄えた長安や洛陽がある。相馬氏は、長安や洛陽での観測をもとに作られた星図が日本に渡り、壁画に描かれた可能性があると見ている。

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