日本銀行は2015年度の国内総生産(GDP)成長率の見通しを、実質ベースで前年度比2.0%増から1.7%増に下方修正した。2015年7月15日に開いた金融政策決定会合で、政策方針の現状維持を8対1の賛成多数で決めた。木内登英委員が前回会合に続き反対した。
消費者物価の前年比はゼロ%近辺で推移しており、目標とする2%には遠いが、日銀は物価の基調は着実に改善しているとの見方を崩しておらず、当面の物価の推移を見極める構え。ただ、中国株式市場の下落やギリシャのデフォルトリスクなど、海外経済のリスクは増しているとの見方もあり、小幅ながら下方修正したとみられる。
マネタリーベース(資金供給量)を年80兆円に相当するペースで増やす金融市場調節を続けるほか、長期国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J‐REIT)の買い入れ方針も維持した。
会合後の記者会見で、黒田東彦総裁は急落した中国株について「引き続き注視していきたい」と語った。