「安倍はやめろ!」「国民なめんな!」――。2015年7月15日、学生グループら若い世代も加わった大勢の人々が国会前に集まり、安全保障関連法案に反対する緊急抗議活動を行なった。
絶叫にも近い掛け声は数時間に及び、一部の人は警察と押し合いへし合いになり怒号が飛び交うなど、あたりは一時騒然とした。
野外音楽フェスのような雰囲気も
安保関連法案をめぐり、急きょ開催された抗議集会には多くの参加者が国会を取り囲んだ。学生らのグループ「SEALDs(シールズ)」をはじめ、労働組合や護憲派グループなどさまざまな団体が集まったほか、ベビーカーを押す母親や手をつないだカップルなど一般市民の姿も目立った。
初参加したという2人組の20代の女性会社員は「声をかけあって集まった」と話し、3回目の参加だという男子学生は「手作りのプラカードを持って来た。明日も参加するつもり」と語る。
参加者数については6万人とか、10万人とか諸説あるが、なかなか前に進むことができない。とにかくものすごい数であることは確かだ。国会正門前のメーンステージ付近には入りきれない人のために、国会の裏側には複数の大型スピーカーが置かれた。
「ファシズム許すな!」
「安倍はやめろ!」
「勝手に決めんな!」
数パターンのフレーズが延々とこだまする。おそろいのTシャツを着たり、国会議事堂をバックに記念撮影をする人もいたりして、「国民守れ!」というメッセージのような悲壮感はない。学生のスピーチに「ウェーイ!」「フー!」と歓声を上げる様子はまるで音楽の野外フェスのようだった。
予定の21時30分を過ぎ、雨脚が強くなっても抗議活動は終わる気配はない。22時過ぎ、警察が開放していた車道から歩道に上がるよう呼びかけると、参加者は反発。人間のバリケードを組んで抵抗した。大柄で屈強そうな男性たちが率先して加わり、押し合いへし合いになった。
「歩道に上がってくださーい」と言う警察に対し、
「触るな!」
「押すなよ!」
と怒号が響き渡った。警察の指示に従うよう呼びかけたり、「今、もめてどうするんだ!」と制止したりする人もいたが、抵抗しようとする人がどんどん加わり、あたりは一時騒然とした。「やめてー!」と金切声をあげる女性もいた。
結局、夕方から始まった抗議活動は23時40分ごろに終了。学生の「今回だけじゃなく、(衆院で再可決できる)60日間、追い込んでいくんでよろしくお願いします!」というスピーチで締めくくられた。緊急抗議活動は7月16、17日にも行われる予定だ。