27年にわたり8月の東京の夜空を彩った「東京湾大華火祭」(以下「大華火祭」)が、2015年を最後に休止する。「大華火祭」開催地の東京・晴海(中央区)周辺で、東京五輪の選手村を設営する工事が近々始まってしまうためだ。
ネット上には惜しむ声が続々寄せられ、中央区の担当者も「本当に残念です」と口にする。
地元は「オリンピックなら仕方ない」と納得
「大華火祭」は、毎年8月の第2土曜日に行われている花火大会。民間企業などで作る実行委員会と中央区の主催で1988年に始まり、2015年8月8日で27回目を迎える。晴海埠頭公園や晴海埠頭沖に浮かべた船の上から約12000発の花火が打ち上がり、観覧場所となる晴海埠頭周辺に例年約70万もの人々が集まる。隅田川花火大会や神宮外苑花火大会と並んで、東京の代表的な花火大会の一つだ。
そんな「大華火祭」が、東京五輪の都合で15年を最後に休止する。そんな噂が数か月前からネット上に流れていた。これをめぐり、中央区議会議員の田中耕太郎さんや青木かのさんがツイッターで、今年最後になる可能性が高い、と通知。一部新聞も「今年で見納め」と報じたため、より現実味を帯びた。
東京の夏を象徴する行事だったこともあり、ツイッターなどに、
「えーーー!!楽しみにしてたのに‥」
「寂しいよね」
と惜しむ声が続々寄せられている。
果たして休止は決定しているのか。中央区の担当者はJ-CASTニュースの取材に「本当残念なんですけども」と前置きし、「今の形で実施するのは今年で最後です」と明かした。理由は、五輪選手村の建設で会場の確保が難しくなるためだ。区内には数十万人を収容できる規模のオープンスペースが晴海地区以外残されておらず、今後、区主催という形での開催は難しくなる。
惜しむ声は寄せられていないか、という記者の質問には、「経済効果が大きかったため残念がる地元の方々も多いですが、皆さん『オリンピックなら仕方ない』と納得しています」という。ただ、今後継続できるのかどうかは「全く白紙状態」。東京五輪後も存続しているかどうかは、分からないという。