日本の「客観報道」主義はGHQのプレスコードに影響された?
日本の新聞ジャーナリズムでは「客観報道」が原則だとされており、1946年に定められた日本新聞協会の新聞倫理綱領では、
「ニュースの報道には絶対に記者個人の意見をさしはさんではならない」
「評論は世におもねらず、所信は大胆に表明されねばならない」
などと定められている。この綱領は00年に構成が変わり、現在では、
「新聞は歴史の記録者であり、記者の任務は真実の追究である。報道は正確かつ公正でなければならず、記者個人の立場や信条に左右されてはならない。論評は世におもねらず、所信を貫くべきである」
となっている。客観報道は世界的にみても、特に通信社では重要なジャーナリズムの原則のひとつだ。だが、新聞協会の倫理綱領は、終戦直後のGHQによるプレスコードの「ニュースは厳格に真実に符合しなければならぬ」といった条項に影響されているとの指摘もあり、日本の主要メディアが他国メディアと比べて過度に中立を装っているとの見方もできる。