スズキ社長職を長男に禅譲 それでも85歳の鈴木修氏主導が当面続く

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世代交代は緩やかに進むことに

   俊宏氏は後任社長の本命候補と見られてきただけに、禅定自体には意外感はないものの、社長交代のタイミングは修氏の想定より遅れてしまったとの見方が強い。背景には独フォルクスワーゲン(VW)との提携解消問題がある。

   スズキは環境技術の確保などのため、2009年12月、VWと資本・業務提携をすると発表。VWがスズキ株を20%弱保有することになった。しかし、その後、スズキが想定した環境技術が得られず、両社間の対立が深まり、スズキは2011年11月、株の返還を求めて国際仲裁裁判所に仲裁を申し立てていた。

   しかし、3年半が経過した今も結論は出ておらず、同問題は宙に浮いたまま。修氏は「こんなに遅くなると思っていなかった。ここまで長くなると、もう待ちきれない」として社長交代に踏み切った。本来はVWとの提携解消にめどをつけ、VW以外との提携が模索できる環境を整えてから俊宏氏にバトンタッチしたかったようだ。

   ただ、社長交代後も修氏が引き続き最高経営責任者(CEO)を務め、「(修氏が議長の)取締役会で経営の基本方針を決め、業務執行は新社長を中心に進めてもらう」と説明。また、「対外的な仕事に取り組んでいきたい」とも語り、他社との提携問題で引き続き指導力を発揮する考えを示唆した。当面は修氏が強力な権限を握り続け、世代交代は緩やかに進むことになりそうだ。

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