中国株下落→「爆買い」沈静化のシナリオは「成り立たない」
そうした中でインターネットには、
「バブルはじけちゃったか? これまでが異様だったから、少し静かになってほっとするよ。新宿辺りのドラッグストアなんか中国人ばかりだったから・・・」
「まあ頭を抱えてる日本の商売人は多かろう。せっかく売り場面積を拡大したり、仕入れ倍増したりしたのに、って。そんな経営者多そうだな」
「もう買いたくても買う金どころか日本にも来れないんじゃね?」
「やっぱ外国人観光客を当て込むというのはいろいろ問題があるな」
と、冷ややかな声が寄せられている。
とはいえ、前出の第一生命経済研究所の藤代宏一氏は「(爆買いが冷え込む)心配はわからないわけではありませんが、『中国株下落→爆買いの沈静化』というシナリオは今のところ成り立ちません」と話す。
その理由を、こう説明する。
「たしかに中国株の状況が直ちに改善されるとは考えづらいのですが、中国株で打撃を受けている人は信用取引をしていた個人投資家です。この層は訪日客でもあるのですが、まだ下落幅より上昇幅のほうが大きく上回っていますし、所得水準も高い層になります。中国の中でも、もともとお金持ちで株の利益で日本に来て『爆買い』しているわけではない人たちです」
さらには、国内のインバウンド銘柄が「中国株の影響を受けて、このまま下落が続くとは考えにくい」とも話す。
中国人観光客の動向について、家電量販大手のビックカメラは「今のところ売り場に大きな変化はありませんし、売り上げも依然として好調に推移しています」としている。
三越伊勢丹ホールディングスも、「(中国株下落の影響は)ほとんどありません」という。現状について、「インバウンドによって売上高はかなり上振れていますが、当社はもともとインバウンドについては目標を定めていませんし、上振れした分が少し下がったという程度です。いまは今後の状況を見守っていきたい」と話している。