慶応義塾大学が定期試験で、アップルウオッチなどに代表される「スマートウオッチ」の持ち込みを禁止すると決め、話題を集めている。メッセージのやり取りなどができるだけに、「不正行為の防止」が目的だという。
同様の措置を検討する大学もあり、他大学でも持ち込み禁止が広がっていくかもしれない。
「対応が早いなー」と感心の声
慶応大は2015年7月8日、サイトの学生向けページで、
「2015年度春学期定期試験より、すべての時計(腕時計・置時計・ウェアラブルウオッチなど)の持ち込みを不可とします」
と発表した。たとえ試験の持ち込み条件が「全て可」であっても、時計は持ち込めないという。
慶応大広報によると、対象になるのは総合政策と環境情報の両学部の試験。定期試験でこの措置を行うのは初めてだ。時間確認のために、大学側が教室に時計を用意するという。
主な目的は「不正行為の防止」だ。スマートウオッチがあれば、一緒に試験を受けている学生同士でメッセージをやり取りしたり、あらかじめ仕込んでおいたメモを見たりすることができる。腕時計と同じ形なので、スマートフォンを使うより自然に不正行為が行えるかもしれない。
アップルウオッチが2015年4月に日本で発売されたことを考えると、かなり素早い対応だ。ツイッターには「対応が早いなーと感心した」と驚く声があった。都内の複数大学に確認したが、現時点でスマートウオッチの持ち込みを禁止している大学はなかった。
ただ法政大では「今後検討すべき課題であると認識している」(広報)とし、今後他大学にも広がるかもしれない。