日本のランドセルは、軍国主義の象徴であり、韓国人なら見直すべきだ――。韓国の大手紙「朝鮮日報」がこんな荒唐無稽なコラムを書いて話題だ。欧米セレブの愛用をきっかけに国内で人気になっていることに対し、クギを刺す狙いらしい。
「韓国に今なお存在する日本軍国主義の残滓」。朝鮮日報で産業を担当する記者は、2015年6月12日付コラムにこんなタイトルを付けた。
子役がランドセルを背負うテレビCMまで批判
ランドセルは、幕末に洋式軍隊を導入するに当たって、オランダから輸入したリュックサックが起源とされ、学習院の初等科が1885年に児童の通学用に使い始めた。現在のような箱型が考案されたのはその2年後といい、日本の初代首相を務めた伊藤博文がこのとき、後に大正天皇になられる皇太子に小学校入学記念として陸軍将校のリュックに倣った特注品を贈っている。
コラムを書いた記者は、この由来を紹介したうえで、日本語版では「ランドセルの由来は、日本軍国主義の精神を小学生に教えるところから来ている」との表現で独自の主張をした。
また、日本のあるバラエティ番組では、ランドセルに靴袋を提げるために横に付いている金具の環は、元々は手榴弾を吊るすためのものと説明していたと紹介した。これを受けて、「ランドセルを背負った日本の子どもたちを見るたび、軍国主義が重なって見えてどうにも困る」と書いた。
韓国では、子供用スマートフォンのテレビCMで子役がランドセルを背負って出てくるシーンが流れていたが、記者は、CMにも難癖を付け、「ランドセルの由来を知ったら、テレビの画面に日本軍国主義の象徴を映すことはなかっただろう」と指摘した。日本の歌舞伎も軍国主義の象徴だとして、テレビドラマがその用語を使ったことを批判し、「日本と日本人の軍国主義について、韓国人が何を知らずにいるのか、一度考えてみるのはどうだろう」と提案している。