厳しい「修行」積んで、FCオーナーになれるのは10%程度
「ココイチ」の国内店舗数は、カレー専門店としてはダントツの1220か店。そのうち、直営店は183か店(いずれも、5月末時点)。「ココイチ」の売り上げは、多くのフランチャイズ(FC)店が支えているというわけだ。
じつはFC展開が上手に機能している背景には、「ブルームシステム」と呼ばれる研修制度がある。通常FCの場合、資金さえあればオーナーになれるが、「ココイチ」でFCとして店をオープンするには、正社員として入社し、5年ほど他店で働く必要がある。壱番屋は「いわば修行で、FCは『のれんわけ』のようなものです」と話す。
「当社の経営理念を理解してもらい、ノウハウを身につけてもらいます。同時に、FCオーナーとしての店舗運営の適正や、人材や資金などの管理能力などをみています。理想と現実に違いを肌で感じてもらうことで、オーナーになってから、『こんなはずでは』という、ギャップがないようにしています」と、「修行」の重要性を説く。同社によると、「FCオーナーになれるのは10%ほど」という。
海外展開が順調なことも好決算の要因の一つだが、海外店舗も壱番屋とフランチャイズ契約を結んだ現地法人が、直営店とFC店を展開する。海外店舗は5月末時点で143店舗。2015年2月にマレーシア、3月にはフィリピンにも初進出するなど拡大している。
海外でも日本と同様に、FCオーナーは「修行」を積んでからの出店。「ココイチ」の海外での売上高は102億円と、20年前に進出して以来、初めて100億円を超えた。