サッカーの女子ワールドカップ決勝戦が2015年7月6日(日本時間)に行われ、2連覇を狙った「なでしこジャパン」は米国に2-5で敗れ、準優勝に終わった。
実はこの試合中、ツイッターには「PearlHarbor(真珠湾)」とのキーワードが多数投稿されていた。米ツイッターユーザーたちが旧日本軍による真珠湾攻撃を試合に関連付けてつぶやいたためだ。
「ヘイ、ジャパン!これはパールハーバーのお返しだ!」
前回大会と同じ顔合わせとなった決勝戦で、なでしこジャパンは前半16分までに4失点を喫した。その後、FW大儀見優季選手のゴールと、後半のオウンゴールで2点を得たが、結果は2-5の完敗だった。
米国のツイッターユーザーは、試合中から試合後にかけ大盛り上がりだった。歓喜の声をあげるのにとどまらず、試合に絡めて「PearlHarbor」のキーワードを次々投稿した。旧日本軍が1941年12月8日にハワイ・真珠湾を奇襲攻撃したことにちなんだものだ。
あるユーザーが投稿した「ヘイ、ジャパン!これはパールハーバーのお返しだ!」とするツイートは大きな反響を呼んだ。6日時点では1万回以上もリツイートされている。
もっとも、このユーザーは日頃から「愛国主義的」なツイートを投稿するネタアカウントだったようだが、試合と「PearlHarbor」を関連づけたのは、必ずしもこうした「一部の人」だけではなかったようだ。普段は何気ないツイートをしている人たちからも、
「Japan, we never forget. #PearlHarbor」
(日本よ、私たちはパールハーバーを絶対に忘れない)
「Remember #PearlHarbor」
(パールハーバーを忘れるな)
といった投稿があり、一時は「PearlHarbor」が米国や世界のツイッタートレンドの1つになるほどだった。
真珠湾だけでなく、原子爆弾が投下された「広島」「長崎」に言及するツイートもみられたほか、核弾頭写真に米選手の顔写真をコラージュして「これがパールハーバーの報いだ」とする画像も投稿されていた。
英紙「インターネットはバカの最高潮に」
ツイッター上で起きた真珠湾騒動は、英BBCやロイターが取り上げるなどして広く注目を集めた。英紙デイリー・テレグラフ(電子版)では
「サッカーの勝利を米国人ファンがパールハーバーへの攻撃に例えたことで、インターネットはバカの最高潮に」
と呆れた調子で報じた。
ただ、米国人ユーザーの中には彼らをたしなめる者も多くいて、
「世界は、アメリカがバカになったと思うだろうな」
「どうしてみんな純粋に試合をみて応援することができないの?」
「パールハーバーは笑いごとじゃない。広島も、長崎も笑いごとじゃない。これは第二次世界大戦ではなく、2015年に行われている女子サッカーの試合だよ」
などとツイートしている。
米国ユーザーが真珠湾ツイートで盛り上がったのは今回が初めてではなく、2011年の前回大会や、2012年のロンドン五輪でも同様の内容がいくつも散見された。もはや定番ネタ化しているようだが、日本のサッカーファンだけでなく、不快に感じている米国人も少なくないようだ。