サッカー女子W杯で準優勝を果たした、なでしこジャパンの選手らに経済的な支援を求める声が上がっている。日本を代表する23人のメンバーの中に、アルバイトで生計を立てている選手がいるためだ。
国内リーグ「なでしこリーグ」でプレーしていても、クラブとプロ契約を結ぶ選手はごくわずかだ。多くの選手が昼間に働いて、練習できるのは夜だけ、という環境にあるのが現実だ。
プロ契約結ぶ選手はごくわずか
サッカー解説者のセルジオ越後さんは2015年7月7日、日刊スポーツのコラムで強化のために「環境面でも考えなければならない」とし、
「4年前、選手たちがアルバイトをしながら戦っている姿にみんな感動した。でも4年たってもまだアルバイトだよ。どこのクラブとも(プロ)契約していない選手は協会が契約してあげるなど、方法はある」
とし、経済的な支援の必要性を訴えた。有吉弘行さんも5日、出演したラジオ番組「有吉弘行のSUNDAY NIGHT DREAMER」で「もっと(給料)あげて」「世界一なのに」などと訴えていた。
そもそも「なでしこリーグ」はJリーグと異なり、プロリーグではない。日本代表に選ばれた選手でも所属クラブとプロ契約を結んでいない場合もある。
大会MVP候補になった有吉佐織選手は日テレベレーザとアマチュア契約のため報酬は受け取っていない。横浜市内のフットサル場で受付の仕事をしながら、練習に励み、試合に出場している。
ほかにもアルビレックス新潟レディースの北原佳奈選手が新潟市内の病院、ベガルタ仙台レディースの川村優理選手が仙台市内の酒屋で働いている。所属選手とプロ契約を結ぶなどして実質的なプロチームになっているのは、スポンサーが多いINAC神戸くらいだ。
仮にプロ契約を結んでいたとしても年俸は300~400万円前後といわれ、代表で主将を務める宮間あや選手(岡山湯郷ベル)でようやく1000万円を超える(推定)程度だ。高額収入が見込まれるのは、澤穂希選手や川澄奈穂美選手(ともにINAC神戸)ら知名度が高く、CMやスポンサー契約できるごく一部だけだ。