「集団的自衛権肯定論に引きずり込まれる」は「被害妄想」
ただ、小林氏が学者に意見を聞く中で、維新案にも個別の論点で2つほど異論が出たという。ひとつが、
「個別的自衛権で処理できるのに、新たに法律をつくる必要はない」
という意見。小林氏はこの意見を「勘違い」だとしたうえで、
「軍隊の出動というのは大変な国家権力だから、ちゃんと道筋の手続法がなければ軍隊は出ちゃいけない。新しい事態に対応するには手続法の整備が必要」
と反論した。もう一つは、
「この手の議論に乗ることが、結局、集団的自衛権肯定論に引きずり込まれる」
という意見で、小林氏は「被害妄想」だと切り捨てた。
維新によると、小林氏、伊藤氏、阪田雅裕・元内閣法制局長官を含めて合計8人の有識者が維新案に対して合憲だという見解を示したという。
菅義偉官房長官は15年7月2日夕方の会見で
「個別論点についてはコメントは控えたい」
としながら、
「こうして野党の中でも対案を取りまとめて、そうしたものが国会で議論されることによって、国民の皆さんにとっては『どこの部分が問題がある』とか『安全保障のためにどうすべき』といった議論が深まっていくと思う。他の政党にも、党内をまとめて対案を出してもらえれば、より内容が分かるのでは」
と歓迎姿勢だ。