新幹線放火事件、「迷惑」と言って何が悪いのか ネット上に巻き起こる芸能人「不謹慎」批判

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   東海道新幹線「のぞみ」に発生した焼身自殺事件が、ネット上で思わぬ余波を生んでいる。事件の影響で足止めされた有名人がネット上に書き込んだ「迷惑」の一言が、「不謹慎発言」として拡散されてしまったのだ。

   事態を受けて書き込みを削除した芸能人もいる一方、そうした批判に冷ややかな目を向けるネットユーザーも少なくない。

  • 「不謹慎」批判は共感されるか(画像はイメージ)
    「不謹慎」批判は共感されるか(画像はイメージ)
  • 「不謹慎」批判は共感されるか(画像はイメージ)

「人が死んでるんだぞ」

    2015年6月30日午前、神奈川県小田原市を走行中の東海道新幹線「のぞみ」に火災が発生し、焼身自殺を図った男性含む2人が死亡した。JR東海は30日、東海道新幹線の上下線106本に遅れが生じたと発表している。

   仕事のため新幹線を利用していた有名人も少なからず事故の影響を受けたようだ。ツイッターやラジオ番組では、タレント・森脇健児さん、さかなクン、歌手・清水翔太さんなどが一定時間足止めされたと明かしている。

   AKB48の飯野雅さんも同じく新幹線の中で足止めを食らっていた。30日12時50分ごろ、トークアプリ「755(ナナゴーゴー)」で新幹線が止まったと報告、スケジュールが狂ったのか、「私服だし着替えていきたいのにー」と不満をもらした。しかし、次の投稿にネットユーザーは色めき立つ。

「(遅延の)理由知ってるけど、迷惑だよー」

   ごく普通の感想に見えるが、まとめサイトなどが即座に「不謹慎発言」として拡散した。その中では「人が死んでるんだぞ」「言ったいかんことくらい分かるやろ」などと非難の声が寄せられている。事態に気付いたのか、飯野さんは素早く投稿を削除し、その後何事も無かったかのように「うごいた!うごいた!」と経過を報告し続けた。

   一方、「別に何の問題もないでしょ」「何で言っちゃダメなの?」と、まとめサイトの見方を疑問視する人も多い。

尾木ママ「なんて自己チュー!」

   また、飯野さんの場合ほど拡散されなかったものの、「迷惑」と発言した有名人は他にもいる。「尾木ママ」こと教育評論家・尾木直樹さんは30日のブログで事件に触れ、「大変な迷惑!なんて自己チュー!」と厳しく指摘した。お笑いタレントの星田英利さんも同日、「自殺というより 放火テロやよな」「自殺するにもルールがある」などとツイッターで持論を語っている。ただ、ネット上を見る限り、これらの発言はある程度共感をもって受け止められているようだ。

   事件や事故が起こった際、交通機関などで影響を受けた人々がブログやSNSに「迷惑」と書き込み、賛否両論の議論を呼ぶ。こうした流れは、過去にもあった。

   2012年1月18日、小田急線の人身事故が通勤・通学ラッシュ時を襲ったこの日、松沢成文・神奈川県知事(当時)は「自殺者の心情は察するが、電車への飛び込み自殺は多くの利用者に多大な迷惑をかけるのでやめてほしい」とツイートした。

   これに「彼の見識を疑う」と批判が寄せられた一方、「そんなに批判される内容とも思えない」と擁護する意見も見られた。

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