テレビ局が支払う電波利用料は事業収入の1%以下
テレビ局の既得権として、テレビ局が総務省に支払う電波利用料の安さはしばしば問題になっている。総務省によると、13年度の主なテレビ局の電波利用料はNHKが18億7800万円(事業収入は6517億円)、フジテレビが3億9920万円(同3468億円)、日本テレビが4億3260万円(同2277億円)。巨額の事業収入から見ると、電波の「仕入れ値」はNHK0.28%、フジ0.11%、日テレ0.18%しかかかっていないのだ。
電波利用料の負担額について、大阪大名誉教授で情報経済研究所の鬼木甫所長は「市場価値の何十分の一で、不当に安過ぎる」と指摘。事業者が電波の利用権を競り落とす「電波オークション」を導入すべきだと提案している。
「電波オークションを総務省が実施すれば、今の何倍もの利用料が収められるはず。先進国で導入されていないのは日本ぐらいだ。新規参入ができず、テレビ局は大きな利権に囲まれている、と言える」
という。
百田氏が指摘した「既得権」について、テレビはもちろん新聞でも大きく報じられないのは、両者間に資本関係がある「クロスオーナーシップ」があるためだ、とも指摘する。
「朝日新聞とテレビ朝日、読売新聞と日本テレビなど、各紙と各局の間には資本関係がある。お互いの不都合なことを報じない『同じ穴のムジナ』だ」
クロスオーナーシップも多くの国で禁止されているが、問題視されていないのは日本ぐらいだ。