「予断を許さないので、常に情報には注意を」
大涌谷の近辺では、30センチぐらいの大きな噴石も落ちてきたといい、気象庁では、注意を呼び掛けている。
一方、早川由紀夫教授のツイートによると、今回は、警戒レベルを4にしてもおかしくないという。箱根山では、14年9月の御嶽山噴火レベルの火砕流が生じる恐れもあるとし、その場合、2キロほども下って温泉街を巻き込みかねないと警告している。
名古屋大学大学院の山岡耕春教授(地震・火山学)は、J-CASTニュースの取材に対し、気象庁のレベル引き上げについてこう話す。
「火口から固形物が飛んだなら噴火と言ってもよかったので、やっと認めたかという感じです。めったに起こらないことですので、勇気がいることだったのだと思います。まだ緊急性が分からない状況ですので、レベル4にするのかは判断が難しいところでしょう。ただ、レベルについては過信しないことが大切で、数日から1週間単位で様子を見て、具体的な対策を考えていくべきですね」
今後、大規模な水蒸気爆発や火砕流などが起きる可能性については、こう言う。
「噴火が収まるかもしれませんし、大きくなるかもしれませんので、予断を許さない状況だと思います。しかし、いきなりというのは考えにくく、地震増加などの前兆があるのではないでしょうか。深いところでかなり大きな地殻変動が起きてマグマ噴火に至るには時間がかかるはずで、1万年に1回ぐらいの頻度でもありますので過剰の心配はいらないと思います。ただ、可能性はいくらでもありますので、いつでも逃げられるように常に情報には注意する必要があるでしょう」