「老人いじめけしからん」論が台頭 週刊誌の主張に若者は反発 

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週刊朝日の40代以下の読者の割合は3分の1強

   14年9月にはNHKスペシャル「老人漂流社会『老後破産』の現実」が放送され、大きな反響を呼んだ。15年5月に出版された「下流老人 一億総老後崩壊の衝撃」 (朝日新書)では、「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」を「下流老人」と定義し、普通にサラリーマンとして暮らしていた人でも老後には「下流老人」に転落するリスクが格段に高くなることを警告している。こういった中、社会保障費のカットは「下流老人」の増加に拍車をかけることは間違いない。

   ただ、財源の配分は「世代間闘争」に近い面も帯びつつある。15年5月には2.5%引き下げられた年金減額の措置を違憲だとして、全国の年金受給者が国の決定取り消しを求めた訴訟を起こした。この訴訟では、原告の受給者から「年寄りは死ねと言うのか」といった声があがった。その一方で、訴訟をしった人からは「若者に死ねっていうんだな」といった反発の声もあがったのは記憶に新しい。

   こういった「老人いじめ」論は、これまでも共産党や日刊ゲンダイがしばしば展開してきたが、

「医療費ただだと思ってるぞ」
「どうみても現役世代イジメだろ」

といった反発も出ている。今回の「老人いじめ」の主張にも若い世代からの反発は強まるとみられる。

   週刊朝日は読者の4割近くが60歳以上だとみられ、50代も4分の1程度を占める。逆に言えば、40代以下の読者の割合は3分の1強に過ぎない。「老人いじめ」を訴える背景には読者の年齢層が影響しているとの見方もできる。

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