「こんなのやる前から素人でも失敗するってわかってた」
そんな使い勝手の悪さが原因なのか、2015年3月時点の契約者数はわずか175万件にとどまっており、13年時点から約70万人しか増えていない。当初、損益分岐点を契約者数で1000万件とし、「5年後に対応機種で5000万台が普及する」と説明していたが、こちらも目標にはほど遠い状況だ。
そもそも「NOTTV」は、地上波アナログ放送の終了によって空いたVHF帯(700MHz帯)の周波数を活用したモバイル用のテレビ放送。複数の空いたチャンネルを放送事業者に委託して、その放送料で事業を運営する計画だったが、借り手もつかず、結局はmmbiが自らそのチャンネルを使うことになった。
ちなみに、大株主には60%超を保有するNTTドコモのほか、約6%をもつフジ・メデヂィア・ホールディングス(HD)とスカパーJSAT、日本テレビ放送網や東京放送HD、電通(ぞれぞれ4%ずつ)が並ぶ。
そんなことからインターネットでは、
「こんなのやる前から素人でも失敗するってわかってた。そもそも何のためにはじめたんだ? 空いた帯域を保有するためだけにやってるのか?」
と、周波数の割り当ててもらうのが目的で、「採算がとれる見通しは最初からなかった」とみる向きは少なくない。
そのため、9期連続の赤字への驚きも少ないようだ。