走ることができない
青木がもっとも悔しがっているのはオールスター戦(7月14日、シンシナチ)の出場が怪しくなったことである。離脱時点ではナ・リーグ外野手のファン投票で4位につけており、16日の中間発表では3位だった実績もあり、最終集計ではファン選出の可能性もあった。
大リーグでのファン投票による選出は「大リーガーの夢」の一つ。そんなチャンスはなかなかない。今季のような好調、さらに33歳という年齢を考えたとき、なおさらである。
個人記録ではシーズン200安打の希望もあった。これは無理だろう。さらに心配されるのは、復帰した後も好調を維持できるか、という不安が重なる。
足だけに走ることは当分できない。下半身が弱るからトレーニングに時間がかかる。コンディション調整が難しく、体力勝負の夏場を乗り越えるのが大変になることが予測できる。完全に治し、万全の状態でカムバックすることを臨む。
ほんの小さなヒビだが、実はいろいろな意味で大きな故障なのである。
(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)