女子高校生は予想以上に女性特有の生理や病気に関する知識が乏しいことがわかった。
バイエル薬品(本社・大阪市)が2014年 8月から10月、関東地方5校の女子高校生500人を対象に「女性の健康に関する意識調査」を実施した結果だ。
子宮内膜症や乳がんにも無知
「月経痛、月経不順、無月経、過多月経のいずれかを経験したことがあるか」の問いに「ある」と答えたのは82.5%。続いて「これらの月経トラブルが病院で治療できることを知っているか」に「よく知っている」と答えたのは13.2%だけだった。「詳しく知らない」50.2%、「知らない」36.6%。
「月経に関する知識」は「十分に持っている」が3.8%、「ある程度は持っている」が68.1%で、何と28.1%もの女子高校生が「ほとんど持っていない」と答えた。
「月経痛や生理不順などで悩みや疑問を持ったことがあるか」を聞くと、あったのは33.5%だった。この時の相談相手 (複数回答) は親69.7%、友人28.5%、医師10.3%、学校の先生やカウンセラー4.8%の順で、「相談しなかった」が18.2%もいた。相談の結果
「解決した」のは56.4%で、残り43.6%は「解決しなかった」。
調査では 2つの病気についてもたずねた。「子宮内膜症という病気」を「よく知っている」は 9.4%で、「詳しく知らない」「知らない」はあわせて90.6%。「乳がんは検診で早期発見できる可能性があることを知っているか」には「よく知っている」21.8%で、「詳しく知らない」「知らない」が78.2%だった。
中学校や高校では保健などの授業もあり、思春期に不可欠な女性特有の生理なども扱っているはずだが、意識調査結果からは決して十分とはいえない。
バイエル薬品は学校に産婦人科医を派遣し、女性の健康教育についての出張授業をする「かがやきスクール」を始めた。初めての2015年度は、希望した関東、中部、関西、九州などの約25か所の高校が対象になる。意識調査はそれに先立って行った。
(医療ジャーナリスト・田辺功)